4月14日、横浜で開催されている放射線学会へ参加しました。と言っても機器展示という新しい機械などが展示されている部門だけですけど…。シーメンス社の旧知の友人に最近の技術の進歩をざーっと教えてもらいました。
 今まで画像診断領域の”先端技術”は、撮影が早い、見やすくて細かい画像が撮れる、3Dがすぐに出来る、などというのが定番でした。今年見学して来たそれは、撮影したデータを機械自体が必要な解析を勝手に行う、という一歩先を行く技術でした。冠動脈を勝手に抽出して狭窄部を調べる、肺癌のサイズを計測して過去と比較する、肺内の病変を自分で調べ出す、などなど。今までも同様な技術はあれど、総じて”機械の勝手度”が進化していました。これは、検査の結果を読影する、という”解析”を生業として来た自分にとっては衝撃でした。
 昨日に書いた将棋もそうですが、今までのPCの進歩は人間を遥かに超えた膨大な計算力、という点が重要視されてきました。それ以外にもいわゆる”機械”は、移動や輸送、建築作業などの領域で人間の力を超えてきました。これらは力仕事だから、単純作業だから、と言う点で自然に受け入れられました。でも、今後、というか今日すでに、思考、知能、という人間に特有な領域まで機械が取って代わる時代が来ていることを実感しました。
 これらの進歩が将棋の棋士や放射線科医の要不要論に直結する事ではありません。ただ、最近の”機械”の進歩は明らかに一足先の次元に到達しているんだなぁ、と実感した週末でした。

さいとう内科クリニック